ネイルをとったら爪が剥がれていた!爪甲剥離症って?
今日は頻繁にネイリストから質問がある、爪甲剥離症と言う症状。
爪甲(爪)が爪床(皮膚)から離れる、つまり剥がれる事を言います。
ジェルネイルをオフしたら爪の白い部分が広がっていた・・・
足の爪が半分剥がれているけどぶつけたせい・・・・?
原因が様々で釈明されづらい爪甲剥離床についてお話ししたいと思います。
目次
爪甲剥離症とは
爪甲が爪床から離れている状態を爪甲剥離床と言います。
爪の水分の補給は爪床から行われておりますが、爪の先端の白い部分には水分が行き届かなく乾燥しやすい状態にあります。
特に爪を長く伸ばしていると、乾燥・脱脂に伴い本来のバリア機能も落ちており、爪甲が爪床から離れて隙間ができ、徐々に広がり浮いた状態になります。
この様に少しの範囲から、爪のほとんどが離れてしまうケースもあります。
考えられる物理的・化学的原因
爪先に過度な力がかかった
一番わかりやすい原因です。
何かに引っ掛けてしまった、強くぶつけてしまった。
よく考えると「あの時が原因かも・・・」と一番自覚しやすい原因でしょう。
また、ネイルの施術の際は強いピンチングや無理な巻き爪の補正をすると剥離が起きやすいので
施術の際は十分に気をつけましょう。
職業病
指先を日常的に使う職業の方に多いのですが、この場合は力の強弱は関係なく一定の圧力が指先と爪にかかっているケースです。
職業病なので気がつくといつも利き手の親指・人差し指・中指の爪が剥がれている、というケースが多いです。
毛皮職人や瓶の洗浄に従事していた方や、ゴム手袋の着用で爪甲と爪床を離す方向へ力が加わり生じた例があります。
また、足爪の場合は窮屈なハイヒールの着用が原因になることも多いようです。
多汗症・または爪に指先が湿っている
指先が常時湿っている状態が続くと爪下部が侵食されて剥がれてしまう事があります。
ただし、はっきりとした原因はまだ解明されていないとのことです。
化学薬品の使用
除光液の成分であるアセトンなどの有機溶剤、酸性・アルカリ性溶液に長時間接触する事で爪下部が侵食され剥がれる事があります。
爪や爪周囲の脱脂や、過度の水分の蒸発が起こりタンパク質が変性して生じるので、除光液などの薬品を使用した後は必ず石鹸でよく手を洗うようにしてください。
皮膚疾患の一症状の場合
接触性皮膚炎の場合
刺激性の物質が原因となり、皮膚に発赤・腫脹・水疱などが現れます。
指先には様々な化学物質が接触します。
原因物質との接触がなくなると症状が治まる事が多いのですが、継続して度々接触をしていると
体内で抗体が作られアレルギー皮膚炎に発展する場合があるので注意が必要です。
切削油・エポキシ樹脂、ネイルの材料ではアクリルリキッド・ジェル・グルー・レジが特に刺激が強いので、皮膚にはもちろんですがハイポ二キウム(爪下皮)には絶対に付着しないよう注意が必要です。
白癬菌の感染のよるもの
白癬菌とはカビの仲間です。
水廻りなどに生息し小さな傷口から皮膚に侵入し発赤・びらん・小水疱・鱗屑などの症状を起こします。
主な感染の順序は爪下皮・側爪廓から侵入、爪床に感染する事が多く、角質増殖を起こして爪甲剥離を起こします。
爪甲は黄白色に変色し、イエローラインは乱れで感染は爪母に向かって広がります。
爪甲の表面から侵入し爪床に感染する事はありますが、爪母にいきなり感染することは稀です。
カンジタ感染によるもの
カンジタとは酵母様真菌に分類される部生物です。
上記は白癬菌と同様に、水廻りなどに生息し小さな傷口から皮膚に侵入し発赤・膨張などの炎症を起こします。
爪床の感染すると角質増殖を起こし、爪甲剥離の原因となります。
爪母に感染すると横溝が現れます。
乾癬
乾癬とは遺伝的な要素に何らかの原因が加わり発症する、皮膚のターンオーバー周期が異常に早くなる疾患です。
感染症ではないことが特徴です。
爪床が罹患すると角質増殖を起こし、爪甲剥離の原因になります。
爪母に罹患すると点状の凹みや油染みのような黄色の斑点が特徴的です。
(爪甲剥離から始まる場合もあります。)
爪甲が黄色く見え、線状出血が見られることがあります。
扁平苔癬
扁平苔癬とは皮膚の角化異常による炎症性の疾患で感染症ではありません。
爪床の根元部分だけ罹患し、その部分だけが爪甲剥離を起こす特徴があります。
爪母が罹患すると縦線や横線が現れます。
全身疾患の場合
甲状腺機能異常・日光過敏・鉄欠乏性貧血・抹消循環障害など。
病気ではありませんが、妊娠時に剥離の症状が現れることがあります。
まとめ
ネイルを取った時にいつの間にか剥がれていた!とびっくりした方も意外にいらっしゃる症状が爪甲剥離症。
ネイルサロンでもこのようなお客様がいらした時はどうすればいいか?と悩んでいらっしゃる方は多いように思います。
少しでも異常を感じたら、なるべく早く専門医に見ていただくことをお客様にお勧めしましょう。
素人判断での勝手な施術は厳禁です!
しっかり治して健康なお爪でネイルを楽しみましょう。